シーフォンについてうだうだと

ネタバレ回避。

自分の中の賢者ルート（♀）におけるシーフォンの大まかな理解は、
「影との戦い作中で更生し損ねたゲドがアチュアンの墓所がらみの陰謀にうっかり関わり、巫女が自力で世界救っちゃう過程を横目に自分を見つめ直さざるを得ない状況に追い込まれる」みたいな感じです。ゲド戦記読んでる人にしかわからない例えで申し訳ない。
真面目な話、ゲドが禁術で殺めてしまったのがカラスノエンドウだったとしたらこれはきっついですよ。更生への道は更にややこしい事になったと思う。

ともあれ信頼できるダチと優しい師匠が居たゲドさえもあんな大冒険の果てでなければ全き者になれませんでした。
恐らく人生を預けるレベルで信頼できる師を持たず、唯一の親友も失ってしまったシーフォンがああなるのもむべなるかなというか、良くもまああそこまでバイタリティに溢れるグレっぷりをしてるよな！というか。もうちょっと人生そのものを投げててもおかしくないよな。もはや知識欲と「本当に悪いもの」になる事しか自我を支える物が無かったとも言えそうだけど。

そういう視点から考えると、廃都の探索の過程でシーフォンはそれなりに人生にとっての必要な物（仲間だったり他人への信頼だったり）を取り戻したり代用可能な事に気づけたりしてそうなので、なんとなくエンディング後の彼の人生はそれまでよりも明るそう。
因みに主人公が賢者♂の場合だと、シーフォンがアベリオンのシャドウとして機能する感もあります。アベリオンが物語開始時点で抱いていたのと同じ野望を持つシーフォン。そんな彼と関わる（主な手段はガチ喧嘩）事で結果的に己を見つめ直し、ひいては人として魔法使いとして一皮剥けるアベリオンさん。キレイな流れ。

野郎同士だとこんなにも真っ当なライバル関係に落ち着くのに、これが女主人公になるとニュアンスがなんかおかしい感じになるように思えて、管理人は賢者♀ルートのそんな所が好きです。
自分にはシーフォンがフィーにキツく当たったり逆に突き放せない要因の多くが思春期特有のめんどくささに依る物だと思えてならない。明確に惚れてる訳じゃないけど色んな心情刺激されててシーフォン当人としては「アイツめんどくせえ！」「なにか良く分からないがムカツく」みたいな認識でいるといいなというか俺によし。お前によしって人もどこかに居る事を祈ります。